株式会社ドクターネット

導入事例

CASE STUDIES

星脳神経外科

ドクターPACS for

Flex viewによる画像連携システムで脳神経外科の専門性を活かした医療を提供(『DIGITAL MEDICINE』Vol.6 No.6 星道生院長)

星脳神経外科は,済生会宇都宮病院の脳神経外科医長を務めていた星 道生氏が2006 年11 月に開設した脳神経外科単科の専門クリニックだ.1.5T のMRI やマルチスライスCT を導入し専門性の高い医療を「小回りよく」提供するという.星院長に開院したばかりの同クリニックの診療の現況と,画像システム「ドクターPACS」「Flex View」(ドクターネット)によるネットワーク構築の方向性を取材した. (水谷)

■診療の現況|MRI,CT を揃えた脳神経外科単科の専門クリニック

星脳神経外科は,済生会宇都宮病院のすぐ近くにある.星院長は「患者さんがもっと楽に受けられる医療を提供したい」と開設の抱負を語る.
「大病院にかかると予約,検査,結果の説明と,患者さんは3 度も足を運ばなければいけません.ある程度の機器が揃って,専門医がしっかりと管理する専門性の高いクリニックであれば,もっと小回りの効くきめ細かい対応ができます.標榜は脳神経外科の単科にして,マルチスライスCT,1.5T MRI など高度な診断が可能な機器を揃え,大病院にも負けない医療を提供することがこのクリニックのねらいです」.
星院長は,1992 年慶應義塾大学医学部を卒業,2000 年から済生会宇都宮病院で脳神経外科医として勤務し,05 年から医長を務めていた.
「私は済生会病院で救急に携わってきましたが,宇都宮市内では1次2 次の救急患者を受け入れる脳神経外科の開業医がなく,本来は3次救急を担う済生会や国立病院機構(NHO)栃木病院などが受け入れざるを得ませんでした.ひとつひとつは大きな病気でなくても,特定の医療機関に集中すると現場が疲弊し,医療体制の崩壊に繋がることは小児医療の例を見ても明らかです.疾患や重症度の違い,施設の規模などで,さまざまな施設が格子状に存在し役割分担をすることが,まっとうな医療提供体制構築のためには必要ではないかと考えたことも,開業のきっかけでした」.
星院長は,現在NHO 栃木病院で予定手術・緊急手術を行っている.
「クリニックを起ち上げる時に悩んだのが,手術をどうするかでした.やはり外科医として手術にはこだわりがあって自前で設備を整えたかったのですが,初期投資や維持を考えるとなかなか難しかったのです.その時にNHO栃木病院でオープンホスピタルのように外部の医師が手術施設を利用できるというお話があり,以前から定期的に手術を手伝いに行っていた経緯もあって,手術は週1回栃木病院で行うことにしました.ある程度の手術件数を確保でき,術後の管理は向こうにお願いするかわりに,外来患者の一部を引き受けるなど,これも役割分担のひとつです」.
また,同クリニックでは脳ドックを実施しているが,無症候性脳出血の診断に力を入れている.
「脳ドックについても,専門クリニックならではの質の高い検査を提供したいと考えています.ですから頭の検査だけでは判断しません.他で検診を受けていればそのデータを持ってきてもらいますし,なければ採血や心電図など最低限の検査を行ってトータルで判断するようにします.無症候性脳出血についても,無症候性の脳梗塞との関係で治療法の選択に影響があり,同時に脳出血を診断することは有効だというガイドラインが出てきています.また,無症候性脳出血の治療法は血圧管理が必要ですが,生活習慣病として継続的に診療や指導を行うのも我々の役割のひとつだと考えています」.

▲星 道生院長

■画像診断|専門性を支援する最新の機器・システムを導入

同クリニックでは,MRI やCT の他,電子カルテ,画像情報システム,画像処理ワークステーションを導入して,フィルムレスの運用を行うなど充実した設備を整えた.リスク軽減のためにMWMサーバを導入するなど,万全の体制が揃っている.
「大病院に対して地域の中でひとつの役割を担うためには,機器のレベルが違っていたら最初から同じ土俵には乗れません.画像診断に関しては最高の設備と体制を整えました.画像検査は撮るべき時に撮らなければ意味が半減します.脳神経外科の専門性とクリニックとしての小回りの良さで,最高の検査を患者さんに提供したいと考えたからです.手術の際には自分で3D 画像を作成して血管の走行など情報を頭に入れるようにしています」.
PACS の導入では,星院長は「患者の根本的な大病院指向に対処するためにはネットワークによる情報共有が必要だ」と考えていたという.
「患者さんの大病院指向のウラにあるのは,救急や何かあった時に小さなクリニックで大丈夫かという心配です.このクリニックが,頭の画像で地域で一番信頼されるためには,いつでも患者データを地域や関連の医療機関で共有できることが重要になります.診察券をIC カードにして患者さん自身にデータを持ってもらうことも考えたのですがセキュリティの問題などで断念しました.そこで,院内だけでなく外部との画像連携が可能なシステムが構築できることを前提にPACS を検討した結果,ドクターネットのドクターPACS とFlex View を導入しました」.

■画像システム|「地域での共有」を指向したPACS を構築

星脳神経外科に導入されたのは,画像情報システム「ドクターPACS」と外部との画像連携ネットワークを提供する「Flex View」(ともにドクターネット).Flex Viewでは,MetaFrame というミドルウェアを採用しているため,画像データの転送やダウンロードが必要なく安全で高速な画像連携システムが構築できる.現在,外部との連携は,済生会病院の放射線科医の自宅と接続し,クリニックのサーバに保存された画像を参照できる.
「私は頭部の画像しか診断できませんので,その他の部位の検査を行った時などに読影をお願いします.また,頭の画像でも少し悩むような時には電話をしてサジェスチョンをいただけるので助かりますね.将来的にこのシステムが済生会やNHO 栃木など基幹病院に入れば,当院の画像サーバのデータをいつでも閲覧でき,夜間の救急や緊急時でも情報の共有が可能になります」.
星院長は画像連携システムの方向性についてつぎのようにいう.
「済生会病院では,脳外科の救急で携帯電話のカメラを使った画像転送システムを構築していました.シャーカステンのフィルムを,携帯( 当初J-PHONE のちFOMA) のカメラで直接,撮影して画像を送るものです.脳外科の救急で重要なことは,臨床的に患者さんをそのあとどう処置すべきかを判断することです.そのためには携帯電話の画像で十分でした.手軽にキー画像を送って判断できるようなネットワークから構築していけば,画像情報を共有することの利便性や有効性への理解が広がり,いずれは本格的な遠隔画像診断システムへの普及に繋がるのではないでしょうか」.

■今後の展望|地域に根ざした「行きたくなる」クリニックを目指す

これからのクリニックの方向性についてはつぎのようにいう.
「脳外科の臨床医として病気を治すことには精一杯取り組んできましたが,予防ということについてはまだまだだったなと,開業してみて改めて感じました.ここが患者さんにとってもっと気軽に『行きたくなるクリニック』にすることで,できるだけ『病気にさせない』ような患者さんに近い,地域に根ざした医療を提供していきたいと考えています」.
大・小,急性・慢性などのマトリックスが均等に塗りつぶされていくためには,そこを繋ぐパイプが必要だ.MetaFrame という新しい技術を採用した画像連携システムが新たな可能性を開くのかもしれない.

医療施設情報

星脳神経外科

星脳神経外科は,済生会宇都宮病院の脳神経外科医長を務めていた星 道生氏が2006 年11 月に開設した脳神経外科単科の専門クリニックだ.

  • 所在地
    栃木県宇都宮市竹林町 877-1