株式会社ドクターネット

導入事例

CASE STUDIES

財団法人 東京都保険医療公共 荏原病院

ドクターPACS for

遠隔画像診断システムによって放射線科専門医不足を解消する取り組み(『日経ヘルスケア』2008年10月号 井田正博氏)

診療報酬の改定によって、フィルムレス化=PACS導入による点数増加が見込まれている。しかし、大幅な引き上げとなった画像診断管理加算2を申請するには、画像診断を行う放射線科専門医の存在が不可欠だ。荏原病院の取り組みから、遠隔画像診断の可能性を探っていこう。

井田 正博氏
財団法人 東京都保険医療公共 荏原病院
放射線科 総合脳卒中センター 部長 放射線科専門医

ダブルチェックによって
高いレベルの医療を提供できる

放射線関連の診療報酬を大別すると、撮影料、診断料(判読料)、画像診断管理料の3つがあり、このうち画像診断管理料は、単なる診断ではなく、検査のプロトコル、CTなどの被曝の管理、MRなどの磁気に対する安全管理、文書による報告、検査に対するインフォームドコンセントなどを含めた管理が必要だ。このため、CTやMRはあるが放射線科専門医がおらず、医師からのオーダーで放射線技師が撮影を行っているだけの場合は、画像診断管理料を申請することができない、東京保健医療公社である大田区の荏原病院の放射線科では、ドクターネットのPACSをベースにした遠隔画像診断システムを導入し、多摩市の多摩南部地域病院と東村山市の多摩北部医療センターで撮られた画像の診断を遠隔で行うシステムを導入している。画像診断管理の重要性を同院の井田氏は次のように話す。
「画像診断管理を行うということは、診断のダブルチェックを行うということです。CTやMRなどから得られる情報は多く、専門性の高い診断技術となるため、主治医の判断だけで診療を進めることは高いリスクを伴います。たとえば、撮影のための造影剤は全身に回るため、腹部や胸部だけでなく全身を撮影したほうが有効で質の高い検査プロトコルです。その際、各臓器の専門医だけが判断するのではなく、他の個所にも問題がないかを放射線科で判断することで患者さんのリスクを抑えることができ、主治医の対象臓器外の病変を見出すこともあります。主治医の立場での診断と放射線科専門医の立場からのダブルチェックを行うことは非常に大切なのです」。
一般撮影であっても放射線科専門医が読影を行うことによって病気の早期発見に努め、診療レベルを上げる努力をしている荏原病院だが、一方で世界トップクラスのCT/MRIの保有国である日本で圧倒的に放射線科専門医が不足しているという現状にも目を向けている。その中で井田氏が積極的に取り組んでいるのが、遠隔画像診断による地域医療貢献だ。

地域貢献のために
遠隔画像診断を役立てたい

井田氏は、「遠隔画像診断は、元々医者がいないへき地などでの医療で役立てられるように考えられた仕組みです」と話す。しかし、「時代が経つにつれ、都市部の病院をサポートすることも重要となってきた」と遠隔画像診断の重要性を説明している。
「今回、画像診断管理料が引き上げられたが、放射線科専門医が在籍する病院においても画像診断管理加算2を申請するのは困難となっている。既に施設基準を満たし十分な画像診断管理体制が整っている当院が手助けすることで、対象施設の専門医の負担を軽減させることができますが、そのために必要なのは画像診断管理を行いやすくするPACSなどのシステムであり、ドクターネットの優れているところはこのシステムを遠隔地で行える、という点です。また遠隔画像診断のシステム面のノウハウを提供して医師同士の仲介も積極的に行ってくれている点も、ドクターネットに助けられています」。
当面は公社内の病院間でシステムを構築した荏原病院だが、今後は大田区内の地域でのネットワークに目を向けていきたいと井田氏は語る。「我々が15年以上前から行っている地域の医療連携をベースに医者同士のつながりを強め、遠隔画像診断を進め、その後にへき地医療をサポートするための遠隔医療の仕組みを作ろうと考えています。もちろん、遠隔画像診断ができるシステムなので、遠くの病院と連携することも可能ですが、やはりその病院がどのような病院で、どんな医療圏があるといったことを知っていなければ、きちんとした対応を取ることができません。本来、画像診断管理というものは、きちんとした管理体制で現在半数近く残されている低機能のCTやMRを高機能なものに代え、しっかりとした記録を残せるように管理できなければ、本来の役割を果たせないと考えています。ドクターネットも我々も、放射線科専門医がいない病院をサポートするだけでなく、より高い医療レベルを目指しているのです」。

この冊子は日経ヘルスケア2008年10月号から抜粋したものです。

 

医療施設情報

財団法人 東京都保険医療公共 荏原病院

東京保健医療公社である大田区の荏原病院の放射線科では、ドクターネットのPACSをベースにした遠隔画像診断システムを導入し、多摩市の多摩南部地域病院と東村山市の多摩北部医療センターで撮られた画像の診断を遠隔で行うシステムを導入している。

  • 所在地
    〒145-0065 東京都大田区東雪谷4丁目5−10