導入事例

CASE STUDIES

医療法人 明浩会 西大宮病院

Tele-RAD

地域の医療連携を支えるのは遠隔画像診断支援サービス『Tele-RAD』~常勤の放射線科医がいない施設のサービス活用法とは~(『Rad Fan』 Vol.10 no.5(2012))

近隣の医療施設から多くの検査依頼が届く西大宮病院では、より質の高い医療を提供するべく、ドクターネットの遠隔画像診断支援サービスを利用している。同院で医療診療部部長を務める羽田野和仁氏に、サービスを利用している理由やその使用感をうかがった。

羽田野和仁氏
西大宮病院 診療技術部部長

近隣施設からの依頼に対応するためTele-RAD」を利用開始

平成8年、西大宮病院は1.0TMRIを新規導入した。当時は、県に数台しかMRIが設置されておらず、民間施設での導入事例などほとんどなかった時代。「メーカー担当者が操作方法などをレクチャーしてくれましたが、わからないことだらけ。そこで、勉強会を通して知り合った佐藤俊彦先生(ドクターネット前社長)に、撮像支援・読影支援をお願いしていました」と羽田野氏は語る。

 同院のような地域の中核病院には、近隣の医療施設から多くの検査依頼が寄せられる。話題の先端医療機器ともなれば尚更だった。MRIの導入当初は、連日朝7時から夜8時までフル稼働。1ヶ月で400件もの撮影を行ったという。それらの検査依頼に対応するため、同院はドクターネットの遠隔画像診断支援サービス「Tele-RAD」を活用し始めた(1)。「外部からの撮影依頼には、しっかりとした答えが求められます。信頼ある読影レポートを返さなければ、検査依頼を送ってきた近隣施設の先生方を困らせてしまいますよね。そこで、MRIの運用でお世話になっていた佐藤先生に相談したところ、遠隔読影サービスを紹介していただきました」(羽田野氏)

図1 「Tele-RAD」の仕組み

 それ以来、同院はドクターネットの遠隔画像診断支援サービスを利用している。現在は「InteraAchieva1.5TNovaDual」、「Intera1.5TPulsar」、64CTBrillianceCT64(フィリップス)の計3台が稼働しており、1日あたりの検査数はMRIが約30件、CTが約25件となっている。ドクターネットに依頼する読影数は、120件程度。サービスの使用感について、羽田野氏はこう語る。「読影レポートの返却スピードが早いので、大変助かっています。先程もお話した通り、外部からの撮影依頼が多いので、できるだけ迅速にレポートをお返ししなければなりません。ドクターネットの遠隔読影は夕方6時までに依頼したレポートは、翌日の正午までには必ず返却されます。登録読影医の数が多いので、遅れたことはないですね」。

 ドクターネットの登録読影医は約170人。様々なモダリティや部位に対する読影依頼に対応できる体制が整えられている。同院のように常勤の放射線科医がいない施設にとっては、どの分野にも即対応してもらえ、現場を配慮して運営される同社のサービス体制はとても心強いといえるだろう。また、施設から送られた検査依頼を担当読影医が読影する際には、指紋による生体認証を求められる仕組みになっている。担当以外は患者情報を閲覧できないシステムになっているため、依頼施設は個人情報漏えい問題などを気にせず安心してサービスを活用できるのだ。

読影依頼書の細かな記入と結果のフィードバックは欠かさない

 羽田野氏は、読影依頼書を丁寧に必要な情報を不足なく記載することを読影依頼をする際に気をつけているという。「ただ画像を送るだけでは、どんなに腕利きの読影医だろうと読影レポートの作成に手間取ってしまうと思います。それでは、患者さんに満足のいく医療を提供できません。当院では、できる限り情報の多い画像を撮影した上で、依頼書には血液検査の結果や詳細な所見を書き込み、比較読影に必要な資料なども添付して送るようにしています(2)。何を見てもらい、何を聞きたいのかを伝える努力を怠ってしまえば、それは患者さんの不利益につながります」。

 ドクターネットの「Tele-RAD」の特徴として、登録読影医が得意とするサブスペシャリティ登録によるマッチング機能と、経験を積んだオペレーターによる入念な振り分け作業が挙げられる。これにより、より信頼できる読影医、過去に依頼したことのある読影医に比較読影を依頼されることになる。これに加えて同院では、症例のフィードバックも行っているという。「読影レポートと当院医師による手術結果の差違などを、できる限りドクターネットへとフィードバックするよう心がけています。お世話になっている読影医の先生からより正確な診断レポートが返ってくることにつながりますし、医療の発展に少しでも役立てられるのではないかと思っています」と羽田野氏は語る。ただサービスを利用するだけではなく、そのサービスをより良く活用する努力を怠らないのが、同院の特徴といえるだろう。

図2 スタッフが記載した読影依頼書

柔軟なシステム構築と利便性の高い機能の数々

 「Tele-RAD」の良さのひとつに、柔軟なシステム構築が挙げられる。画像と依頼情報を受け取るための専用端末をひとつ導入するだけで、他社製のPACSやレポーティングシステムとも連携が可能になる。機器の入れ替え作業の手間を省きつつ初期費用を抑えられるため、サービス利用施設の担当者から好評価を得る要因となっている。羽田野氏も「ドクターネットのサービスは、初期費用と手間がかからないのが魅力のひとつです。ワンクリックするだけで検査画像を携帯電話に送ることができる『メール送信機能』など、使い勝手の良い機能が付いているのも嬉しいところですね」と話す。また、検査画像とドクターネットからの診断レポートをiPadなどのタブレット端末でも閲覧できるよう管理することで、医師・診療放射線技師の勉強に役立てているという(3)

図3 iPadでも読影レポートや勉強用資料を閲覧している

質の高い医療にはTele-RAD」が必要

 最後に、羽田野氏はこのように語ってくれた。「常勤の放射線科医のいない本院にとっては、ドクターネットの『Tele-RAD』は欠かせないものになっています。だからこそ、より質の高い読影サポートを頂けるよう、利用者側も努力すべきだと考え行動しています」。

 正確な診断がなければ治療のレベルは下がってしまう。サービス提供側も利用側も、質の高い医療の提供を心がけることが、患者の利益へとつながる秘訣と言えるだろう。

医療施設情報

医療法人 明浩会 西大宮病院

「開心見誠 真心のこもった医療の提供」を理念に、昭和48 年3月の開院から地域の患者のために急性期の医療を提供 してきた同院。近年では、患者のニーズの変化に伴い、リハ ビリテーションに特化した回復期リハビリ病棟を開設。地域 の医療機関との連携をはかりながら、常に高度な医療技術の 提供を目指している。

  • 所在地
    埼玉県さいたま市大宮区三橋1-1173