医療AIの開発とともに進めてきたキャリア
自己紹介を兼ねて現在の業務内容を教えてください。
開発グループの責任者として各開発案件のディレクションとエンジニア組織のマネジメントを行っています。各開発案件では、予算を含めた計画の策定やリソース調整、要求分析、進捗管理等を担当しています。また保守開発の案件も多く、日々現場から上げていただく改善要望や障害報告に対して優先度を考慮しながら各メンバーにタスクを割り振ったりもしています。
組織マネジメントとしては、各メンバーの能力や志向、キャリアパスも踏まえてそれぞれにマッチした目標や役割、タスクを設定していくのが主な業務になります。
エンジニア採用も重要な業務であり、中長期的に目指す組織構成を常にアップデートしつつ、各候補者がチームにどうしたらフィットするのかを考え、書類審査や面接に取り組んでいます。
相手ありきの業務がメインとなるので、とにかく自分でボールを長く持ちすぎず適切なメンバーにいいパスをスムーズに回すことを心がけています。
前職までどのような仕事をしていましたか?
2007年に大学院を卒業後、大手警備会社に新卒で入社しました。
主に画像認識を利用したプロダクト開発を担当してきて、ルールベースのアルゴリズムが多かったのですが、現代のAI開発と同じく当時もデータ作成に一番苦労していました。侵入者を検知するアルゴリズム開発では、侵入者が様々な色や素材の服装で入ってくるシーンを撮影したり、人以外にも昆虫標本や動物模型を紐で吊るして動かしたり、コーディング時間よりもデータ作成の時間のほうが多かったぐらいでした。
それ以外にもネットワークカメラのViewerといった純粋なアプリケーション開発等、幅広い業務に関われたことが今のマネジメント業務の土台になっていると思います。
2018年に転職した医療AIスタートアップ企業ではプロダクト開発組織をマネジメントしつつ、早期胃がんを発見するための内視鏡AIシステム開発のプロジェクトをリードしていました。当時はまだ医療機器プログラム自体も新しく、さらに医療AI開発となると前例がまったくない状態で、全て自分たちで考えて前に進んでいく必要がありました。徐々に薬事、臨床開発、QMS経験者が増えていき体制が整い、プロジェクト開始から約1年半で承認申請するところまで辿り着きました。
消化器内視鏡は世界シェアの約9割が日本メーカーで専門医数や技術も世界トップということもあり、日本がAI開発で世界をリードできる分野です。
今後の医療AI発展において重要となる世界初のプロジェクトをリードできたことは、自身のキャリアの中で重要な仕事となりました。