株式会社ドクターネット

導入事例

CASE STUDIES

メディパーク八千代台 八千代画像センター

メディカルモール併設の画像センターが地域医療を変える(『DIGITAL MEDICINE』 Vol.7 No.2)

日本の各地にメディカルモールが建設されている。医院・薬局の開業を希望している医師や薬剤師がテナントとして入居し、テナント料を払う。開業のリスクは少なく、いくつかの診療所がモールの中で設備を共有することで、相乗効果が期待できる。特に電子カルテなどによる情報の共有は診療、運営の両面で大きなメリットになる。複数の病気を持っ ている高齢者はメディカルモールで いくつかの病気の診療を受けることが可能となる。そんなメディカルモールに欠かせないのが画像センターである。八千代市にメディカルモールが誕生した。その中にある画像セン ターの役割と将来を取材した。(I)

京成線・八千代台駅から徒歩 10 分、緑豊かな市民の森を抜けるとメディカルモール『メディパーク八千代台』がある。周辺には、八千代台 団地、八千代台西団地、花見川団 地など多くの団地が点在している。 1975 年の国勢調査では、人口 10万人以上の市で全国一の人口増加率を示し、一時は全国で有数の人口急 増都市として知られている。2006 年 12 月に東京女子医科大学八千代 医療センターがオープンし、地域の 中核病院として整備されることになった。急性期・高機能・先進医療 の拠点として市民に安心感を与えて いる。しかし、地域に根ざしたクリ ニックは人口に対してそれほど多くはなかったという。もっと身近な医 療が必要だということで、「メディパーク八千代台」が地主と三井ホーム㈱によって計画され、2007 年 4 月 1 日にオープンした。

メディパーク八千代台は「こうづ 整形外科・八千代画像センター」「もと脳神経外科・内科クリニック」「グリンデンタルクリニック」と調剤薬局で構成され、画像センターはこうづ整形外科が管理している。導入されている機器は、MRI:AIRIS Elite (日立メディコ)、CT:ROBUSTO(日 立メディコ)、一般撮影装置・CR: REGIUS190(コニカ)、骨塩量測定 装置:DEXA DCS-900E(アロカ)である。最新鋭の機器というわけではないが、地域に根ざしたかかりつけ医が自在に使用できる画像診断機 器の装備としては充分な質と量である。一次診療で危険な病気、例えばがんや脳卒中などを早期発見できると、共同利用するモールの臨床医の期待も大きい。

画像診断装置を共同活用

メディパーク八千代台に参加している診療所全ての標榜科目は、整形外科、リウマチ科、リハビリ科、放 射線科、脳神経外科、内科、神経内科、 脳ドック、検診、歯科ということになる。こうづ整形外科の神津教倫院長は「MRI、CT、デジタル X 線を 個人の開業レベルで揃えるのはかなり難しくまた、リスクも高い。しかし、共同利用ということで運営もその道のプロが担ってくれ、さらに読影の環境まで整備されるというのは、開業する臨床医にとってメリッ トは大きくまた患者様へのメリット はさらに大きいと考えています」と語っている。

画像機器の調達・運営は「㈱ドクターネット」が行っている。画像セ ンターの目的は、メディカルモール 内の検査だけでなく、近隣の医療施設・クリニックなどからの検査依頼にも積極的に対応することである。設立の経緯について佐藤俊彦氏(㈱ ドクターネット代表取締役社長、放射線専門医)に聞いてみた。

「日本の開業状況は、年間約 900病院が閉院あるいは診療所化し、年間 5000 件の開業医が生まれています。外来診療の包括化の導入などは、今後の診療体制を考える上で憂慮すべき問題で、ますます院内の患者に 対する画像診断や高額な治療を実施しにくくなる萎縮した診療になると懸念しています。医療の質を維持し、 医療経営を健全化するためにも、メディカルモールが一次診療の重要な担い手になると考えています。そうしたメディカルモールの診療の質を 向上させるためにも、また、患者様 が検査で新たに別の病院に行くことがないように、メディカルモールと画像センターが連携するモデルが、今後の医療費抑制政策下ではさらに 重要になってきます。当社では、メ ディカルモール事業者と連携し、年内に数箇所のメディカルモール内に画像診断センターをオープンさせる 予定です。『八千代画像センター』 はその第一歩ということです。ぜひメディパーク内の先生方だけでなく多くの医療機関に活用していただければうれしいですね」と佐藤氏は語っている。

モール内の画像診断機器を整備し、地域に還元することで、入居している診療科だけでなくより広いエリアで地域の医療連携の拠点となり得、地域の画像診断の向上は医療の質向上として利益をもたらしてくれる。運営と読影についても聞いてみた。

「運営に関しては、トレーニングを受けた放射線技師が担当し、画像診断は遠隔読影によりタイムリーで正確なレポートを提供いたします」と佐藤氏。ドクターネットでは放射線専門医約 80 人と遠隔読影業務で連 携している、国内最大のラジオロジーグループを有している。「MRI、CT、 核医学、マンモグラフィとあらゆるスペシャリストとネットワークで連携していますので、読影のわずらわしい業務から開放され、本来の臨床の仕事に集中できます」(佐藤氏)。 また、神津院長は「どのモダリティを選択したらよいか不安な方は、常駐している放射線技師になんでも相談してください。的確なモダリティを選択し、正確なレポートとともに 患者様を主治医の先生にお返しします。八千代画像センターは検査がメインで診療部門は持っていません。 安心してご依頼をしていただければと考えています」と語る。

検査オーダーから数日以内に検査を行うことができることも大きなメリットだという。中核医療機関では MRI の検査に数週間、多いところ で数ヶ月待ちというところがある。 さらに、患者は検査と結果報告の 2 回来院しなくてはならない。しかし、 八千代画像センターの場合は、「患者様は検査日に来ていただき検査を受けるだけです。画像と読影レポー トは主治医に報告し患者様は主治医より検査結果を受けるということ で、患者様の利便性を高めることが可能です」と神津院長。

画像センターはインフラ

地域に根ざした医療を目指すため、患者に優しい装置が導入されている。MRI はオープンタイプで開口部が広く、小児の検査や閉所恐怖症の患者でも検査することができ る。また、頭部領域では MRAngioにより、無症状や未発症の脳の血管性病変を早期に捉えることが可能である。3D 画像表示など、様々な 画像解析を行うことができる。歯科のインプラントシミュレーションでは医療用 CT を使用し安全なインプラントができるソフトを導入している。これにより、インプラント手術を実施している歯科で歯科用 CT を独自に導入する必要はなくなる。

「最近、インプラント手術が臨床で急速に普及していますが、充分なトレーニングを積んでいない臨床家によるインプラント手術も少なくない状況です。八千代画像センターの CT を使えば、データを解析し、サージカルガイドを作製することで、より安全で正確なインプラント手術を誰でも行うことができるのです。近隣の医家だけでなく歯科医師にも積極的に活用してもらいたい」(佐藤 氏)とのこと。

現在、CT や MRI を保有する医療機関でも長期間患者さんを待たせるのではなく、八千代画像センター で検査だけを行えばその後の治療もスムーズに行うことができる。また、機器のメンテナンス時期だけ活用することも可能だ。時間短縮のためにも画像検査を外注することで、病院 のパフォーマンスを高めることができるのではないだろうか。

八千代画像センターで出力される 画像は全てデジタル情報である。将来、地域ネットワークが構築されれば、レポートや画像を簡単に瞬時に返送できるようになるかもしれな い。地域のインフラとして八千代画像センターが果たす役割は大きい。

医療施設情報

メディパーク八千代台 八千代画像センター

京成線・八千代台駅から徒歩 10 分、緑豊かな市民の森を抜けるとメディカルモール『メディパーク八千 代台』がある。周辺には、八千代台 団地、八千代台西団地、花見川団 地など多くの団地が点在している。 1975 年の国勢調査では、人口 10 万人以上の市で全国一の人口増加率 を示し、一時は全国で有数の人口急 増都市として知られている。2006 年 12 月に東京女子医科大学八千代 医療センターがオープンし、地域の 中核病院として整備されることに なった。急性期・高機能・先進医療 の拠点として市民に安心感を与えて いる。