導入事例

CASE STUDIES

さいたまセントラルクリニック

運用を重視した予約管理システム“枠”の概念できっちり管理-Medical Time Scheduler-(『DIGITAL MEDICINE』 no.43)

運用を重視した予約管理システム“枠”の概念できっちり管理-Medical Time Scheduler-(『DIGITAL MEDICINE』 no.43)

JRさいたま新都心駅より徒歩10分ほどの閑静な住宅街に、さいたまメディカルタウンがプレオープンしたのは2009年6月。施設内にある「さいたまセントラルクリニック」が稼動を開始して6ヶ月あまりが経過した(詳細はDIGITALMEDICINE No.41に掲載)。同クリニックには最新のモダリティが導入され地域医療に貢献している。

 導入されているモダリティは、3TMRI、1.5TMRLPET-CT、CT、マンモグラフィなど多岐にわたる。それら各検査の予約を管理することはクリニックの安定した運営のためには必須だという。導入された予約管理システムは「MedicalTimeScheduler(以下、MTS)」(ドクターネット社製)である。

放射線技師長の平山博樹氏

枠”という概念

MTSによって予約が管理されている検査は、MRLPET-CT、CT、マンモグラフィ、内視鏡、超音波、心電図、眼底。MRIは2台稼動しているが、各MRI装置で予約が組み立てられている。

MTSの最大の特徴は1検査ごとに施設で任意に決められた時間枠(基本は1o分単位)を設定し、その枠単位で検査予約をとるという点である。あらかじめ各検査に対して1検査あたりの所要時間を設定する。この時間設定は各医療機関で自由に設定可能という。こうした枠という考え方を導入したスケジュールシステムはこれまでなかったと同クリニック放射線技師長の平山博樹氏は語る。「各医療機関によって専門性や様々なこだわりがあると思いますが、それを正確に反映することができるフレキシブルなシステム設計になっています」。

 同クリニックでは、以下のように枠の時間設定を行っている。

 単純CT→10分●造影CT→20分●頭部単純MRI30分●頭部造影MRI40分●造影MRI40分●躯幹PETCT(delay含む)40分●頭部PET→10分

MTSを活用すれば、依頼検査などの受付業務において、検査内容を熟知していないスタッフでも予約を受け付けることができるということだ。

「例えば予約に30分の検査枠が空いていたとして、そこに40分で設定されている検査を入れることはできません。これによって従来現場で起きていた検査の重複による遅延や混乱といった問題もクリアできます。【時刻無し】という領域は当日受付の方を検査ごとに表示するものです。どのような検査に何人くらいが控えているか把握でき、スケジュールを見ながら入れられそうな検査があれば検査と検査の合間に入れる判断を行います」(平山技師長)。ある特定の医療機関が決まった日時を使用する場合、予約禁止”という設定にて他の予約をはじく機能もある。

 MTSの操作は簡便で、数時間の説明を聞けば基本的な操作はできるようになるということだ。「一般的な検査予約であればキーボードを使うことは全くありません。複雑な操作はなく、マウスとクリック操作だけで予約業務を行うことができます。表計算などのソフトよりも簡単で、特別な訓練がなくても覚えられます。例えば予約時間に変更があったとしても表示画面の予約枠をドラッグ&ドロップで動かすことで変更可能です。直感的に使えるソフトといえるでしょう」と平山技師長は語る。

 実際の操作はソフトを立ち上げて、IDとパスワードで予約画面へ。予約表は1分単位で更新され、ほぼリアルタイムの情報が出現する。自動更新モードにしておけば常に最新の情報を見ることができる。電子カルテと連動しているため、IDを取得している患者の場合、IDを入力すれば基本情報は自動的に入力される。

誰でも使える高い操作性能

検査の内容を選択する画面で、MRI、PET-CmCTなどの検査を選択すると、予約情報登録ページが現れる。予約情報に予約種別、診療科、紹介医師、紹介施設などをプルダウンメニューから選択。検査ツリーより部位と検査内容を選択すれば予約は終了し、予約表には患者のID、氏名、検査内容が表示される。予約完了まで5分もかからない。部位や検査内容はモダリティごとに各医療施設で自由にカスタマイズ可能である。

 MTSで現場はどのように変わるのか、可能性について平山技師長に聞いてみた。

 「紙ベースでの運用ではミスは不可避でしたが、MTSの導入により受付や記入ミスはなくなると考えています。放射線技師は予約管理に忙殺されることなく、撮影に集中できるのです。それだけでも導入する価値はあったと考えています」。

 MTSに予約を入力した段階でモダリティ側にも患者情報が飛ぱされ、MWM(ModalityWorklistManagement)に情報が伝えられる。モダリティ側で患者情報を入力する必要はないということだ。MTSはMWMと連携したソフトであるため、MTSだけを導入することはできない。ドクターネット社製のMWMデータベースが必須とのこと。

 これまでのシステムは予約システムに現場が対応するというシステムが多かった。「システムは現場の業務フローを縛るものであってはならないと思うのです。その点、MTSはカスタマイズも容易に行え、現場のニーズを反映したシステムになっていると思いますね」と平山技師長は評価している。

 同クリニックでは、MRIやPE1ILCTの操作室、受付、診察室、院長室、医局など19台の端末でMTSを操作することが可能である。操作の権限に関しては、ログインするスタッフのIDアカウントにて操作範囲を限定することもできるという。

経営に役立つMTS

MTSの予約登録時に入力した、予約種別、コース(検診の場合)、紹介施設、診療科、依頼医、予約コメント(図中④の部分)などのデータは、PACS、RISで二次的に活用することができる。

 「MTSはスケジューラーとしての機能しかありませんが、PACSの検査一覧にはMTSの情報が反映されるため、どの施設からどのような依頼が入っているか状況を把握することができます。また予約時に入力したデータはRISなどを活用し、病院経営に役立つ統計、分析の元データとして活用可能です。画像センターの場合、特に依頼元と検査件数を把握することは重要です。それらのデータは経営の重要な資料となります。RISなどによる集計結果から『A病院B医師より依頼検査が減少している」と知ることでCs(CustomerSatisfaction;顧客満足)の改善にも活用できます。放射線技師の仕事は撮影する技術。質を上げることはもちろんのこと、病院経営の一部に関与しデータから経営をサポートする能力も必要になるのではないかと考えています」。MTSは放射線技師の新たな可能性にもつながるソフトとして高い期待を寄せていると平山技師長は語っている。

MTSは運用面が重要

 MTSはデザイン、レイアウトなどを変更可能な簡易予約票のプリントアウトも可能である。つまりMTSは、検査予約の全てのワークフローを運営することができるソフトといえる。その|」に入っている予約一覧をプリントアウトすることもでき、受付は翌日のチェックイン業務の確認、放射線技師は検査の作業確認などを前もって行うことができる。MTS導入にあたってはメーカーのサポートも充実していると平山技師長は語っている。

 「MTSは『運用面が重要』という考えから、メーカーでは基本操作だけでなくカスタマイズなどのマスター変更に関してもしっかりした教育とサポートを行ってくれます。使う側にしてみれば、ソフトを導入したけれど運用面で十分な機能が発揮できていないというケースも多々あります。そういう面からいえば実用的で『使えるシステム」という印象が強いですね」(平山技師長)

 同院では各モダリティの管理として採用しているMTSだが、外来診察、手術室などの様々なタイムスケジューラとしての活用も可能だということだ。

 「リアルタイムで確認できスムーズに予約が行えると考えています」(平山技師長)。医療システムは実用する時代に入っている。今後の病院経営にMTSのような予約管理システムが大きな役割を担ってくることは間違いないだろう。

出典:DlGlTAL MEDlClNE no.43

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JRさいたま新都心駅より徒歩10分ほどの閑静な住宅街に、さいたまメディカルタウンがプレオープンしたのは2009年6月。施設内にある「さいたまセントラルクリニック」が稼動を開始して6ヶ月あまりが経過した(詳細はDIGITAL MEDICINE No.41に掲載)。同クリニックには最新のモダリティが導入され地域医療に貢献している。